木のはなしのページ

木が香る理由

木が香るのは、木材の中にある油分のためです。精油成分というそうです。精油成分は木の種類によって含まれている量が違っています。だから木の種類によって香りが違います。精油成分はいろんな作用があるようです

たとえば、クスノキは防虫作用があります。タンスなどに昔は入れていた 樟脳(しょうのう)。

坂本竜馬が活躍した幕末時代、三菱の創始者岩崎やたろうさんは九州地区に楠が何本あるか調べろ。という命令を受け調べたそうです。 どこからの命令だったのかは忘れました。

ヒノキ科には抗菌作用やリラックスする香りの成分があります。

マウスにヒノキの香りをかがしたとき、運動量が増加する事が確かめられました。 木の香りがいらいらを抑えリラックスした状態を作りだすことも明らかにされています。

また、香り成分を取り出して芳香剤や入浴剤さらに防かび剤、殺ダニ剤などにも積極的に利用されるようになっています

工房七瀬は、いつも木たちに囲まれています。工房を訪れてくださったお客さまから「なぜかリラックスした」とか 「なんか落ち着く」などなどの言葉をいただきます。

ありがたいことです。近くに来た際はどうぞお気軽によってください。

木が温かく感じるのはこんな理由

手でモノに触れたとき、冷たい温かいを感じますよね。

金属やコンクリートを触ったときに冷たく感じるのは 金属やコンクリートが、皮膚体温を奪うからです。 雨が、上から降ってくるように、熱も温度の高いほうから低いほうへ流れていきます。

だから金属やコンクリートは熱を伝えやすいんですね。触ったとき皮膚から金属やコンクリートに熱が移っていくんで冷たく感じるんです。

これを、金属は熱伝導率が高いと言うそうです。

それとは逆に、木が温かく感じられるのは木が熱を伝えにくいからです。木が熱を伝えにくいのは木の細胞に空気が詰まっています。段ボールのような構造です。それが断熱材の役割を果たしているからなんですね。

たとえば、寒くなるとセーターを着たりジャンパーを羽織ったりしますよね。 これも同じなんですね。

いってみりゃ空気の層を着て熱が逃げるのを押さえているんですね。

熱を伝えにくいという木の特徴は、なにげない普段の生活の中でも利用されていますよね。

たとえば、フライパン、やかんの取っ手。味噌汁のおわんなんかに使われる木は、 熱すぎる熱から皮膚を守る役目を果たします。なので、木は、温かく感じるんですね。

3つの種類の木

木には大まかに分けて3つのタイプがあります。無垢材とか合板。集成材って聞いたことはあると思います。

ところで、その違いは?

無垢材(むくざい)

サクラ、ケヤキ、カエデといったような、樹木の名前ではなく、
自然の中で育った樹木を材料として使えるよう加工(製材)した板のことです。

合板(ごうばん)

ホームセンターなどでよく見かけるシナベニヤやコンパネ。
木を薄くしたり細かくし、縦横交互になるよう接着剤で貼り合わせた材料のことです。

屋内で使う場合、反ったり割れたりすることが少ない材料です。屋外には使わない方が良いです。直射日光や、雨など、状況にもよりますが、半年~1年でボロボロになる可能性があります。

集成材(しゅうせいざい)

学校の体育館や洋間の床に使われているような板です。いくつもの小さい木を、接着剤で接着した材料です。

工房七瀬では、無垢材を使用しています。

木が腐る理由

木を腐らせるのは、「木材腐朽菌」の仕業です。
腐朽菌は、空気中、土の中やわたしたちの身の回りの、どこにでもいます。他の細菌と同じで、養分、水分、温度、空気がなければ、繁殖できません。養分は、もともと木が持っています。温度、空気は、屋外では管理できません。ですから木が腐るのは水(湿気)が原因です。なので、木が腐るのは、雨で濡れる屋外だけです。(屋内でも結露、水漏れ、通風不足などで湿気ていると腐ります)。

木は、もともと森で育った植物ですよね。

当たり前ですが、木はもともと森で育った植物ですよね。

だから、雨に濡れてもすぐ深く内部まで水がしみ込むことはありません。濡れても、すぐに乾けば、腐朽菌が繁殖する時間がなく簡単に腐るものではありません。

風さえ通れば雨で濡れた部分は数時間もすれば乾いてしまいます。

しかし、乾かない環境では、木は大変弱いんです。乾かない環境とは「風が通らない」「密着面」などです。たとえばですが、地面へ木の板を置いたとしますね。上面は乾いても、地面と密着した下面は乾きませんよね。雨ざらしで地面に置きっぱなしにしたら半年~1年くらい。地面から離しても、2~3年で木口から腐り始めるというのが一般的な木材のイメージです。

ケヤキ板

木目がハッキリしている木が好き。と言われる方には、ケヤキ板がおすすめです。
ケヤキは寺社仏閣建築などで使われる高級建材としても知られる日本を代表する銘木で、
美しくも重厚な色と木目が魅力的です。

カバザクラ

カバザクラはその落ち着いた色彩が和にも洋にもよく合います。
表面に独特の光沢が出やすいのも特徴です。
非常に硬く重く、丈夫な木材です。

クス

クスからは衣類の防虫剤としての薬効のある楠脳が採れます。
大木がとれ保存性が高いので、仏像彫刻には多用されます。

壮大な感覚の木目が板目に出るので寺社建築に好んで使われ、
ことに欄間や彫刻壁に使われている例が多くみられます。
和船の造船材としても優秀な性質を認められ船録や外壁に使われます。

木の耐久性について。

形あるものは必ず、いつかは壊れます。それが3年先か、木造建築で最古、法隆寺のように1400年もの間壊れないかですね。

いくら法隆寺でもほったらかしでは1400年もの間建っていないと思います。

立つことができない赤ん坊が立ち、話す。大人になり、老人へと日々変わっていくように。 人の耐久性(健康維持)を少しでも長持ちさせるのも、メンテナンス次第だと思います。

木の耐久性についてですが、木は元々屋外に生えております。だから本当は屋外に強いんです。 でも、製材しますと木肌がむき出しになり無防備になります。
だから、どんな高価な銘木と呼ばれる木でも保護無しで置きっ放しにしておくと
痛むのが早いです。

保護の方法は、2通りあります。

1.木の表面を一枚覆う。

ようするに、木へ直接雨などが当たらないように、ニスや塗料などで木の周りを覆う方法です。

2.木の内部へ浸透性の保護材を入れる。

たとえば、

トーテンポール

丸太
オリジナルトーテムポールを作らせていただいた時の写真です。 昔の電信柱です。おそらく30年~40年前の木柱だと思います。 直径、約50cmくらいありますが、矢印部分は、木材保護のため コールタールが染み込んでいる状態です。 カットした部分は昔のままの状態で、なんの支障もなく彫刻できました。

2通りの木材保護のはなしでした。