木製看板は、人類の歴史とともに歩んできた最も古く、伝統的な看板の一つです。
その起源は古く、奈良時代まで遡るようです。
奈良時代
藤原京から平城京(710年)に都が移された頃、商いをやっている店の標(しるし)としてつけられた牒(ちょう)が標牒と呼ばれ使われ始めました。
この「牒」とは「文書を書きしるした薄い木の札」のことです。これが木製看板のルーツと考えられています。
平安時代
暖簾が使われるようになります。
当時の暖簾は麻や木綿で作られたものが多く、紫や藍などの染色で模様を施したものが主流でした。
鎌倉時代~室町時代
簡板(かんばん)と呼ばれる、文字を記した竹や木の札が使われるようになりました。
この頃には絵だけでなく、文字も使われるようになります。
安土桃山時代~江戸時代
町民文化が根付き始めた安土桃山時代から江戸時代にかけて、現在でも使われている『看板』という呼び名ができあがりました。
それまでは「何を売っているか」を知らせるのが主な目的でしたが、江戸時代に入った頃から集客のために「宣伝する」ということを目的に看板が掲げられることが多くなってきました。
木材は加工が容易で、様々な形状に作ることができたため、様々な種類の看板が作られました。
また、金箔や漆などを用いて装飾された豪華な看板も登場しました。
明治時代以降
明治時代以降になると、西洋文化の影響を受け、ガラスや金属製の看板も登場するようになりました。
しかし、木製看板は温かみのある質感や伝統的な雰囲気が人気を呼び、現在でも広く使われています。
近年では、レーザー加工などの技術を用いて、より精巧なデザインの木製看板も作られています。
木製看板は、長い歴史を持つだけでなく、日本の文化や伝統を伝える役割も担っています。
木製看板の特徴
木製看板には、以下のような特徴があります。
- 温かみのある質感
木材は自然素材ならではの温かみのある質感を持っています。
そのため、お店や施設に親しみやすい雰囲気を与えます。
- 伝統的な雰囲気
木製看板は古くから使われてきた看板であるため、伝統的な雰囲気を演出することができます。
和風の店舗や施設に特に適しています。
- 加工しやすい
木材は加工が容易な素材です。そのため、様々な形状やデザインの木製看板を作ることができます。
- 長持ちする
木製看板は適切なメンテナンスをすれば、長持ちすることができます。
木製看板の種類
木製看板には、以下のような種類があります。
- 吊り看板: 天井から吊り下げるタイプの看板
- 壁掛け看板: 壁に掛けられるタイプの看板
- 置き看板: 床に置かれるタイプの看板
- 装飾看板: 店舗や施設の装飾として使われる看板
木製看板の選び方
木製看板を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 設置場所: 設置場所に合わせて、看板の大きさや形状を選びましょう。
- デザイン: お店の雰囲気やターゲット層に合ったデザインを選びましょう。
- 予算: 予算に合わせて、素材や加工方法を選びましょう。
- メンテナンス: 木製看板は定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスがしやすいものを選びましょう。
木製看板の制作・施工
木製看板は、専門業者に依頼して制作・施工することができます。また、DIYで作ることも可能です。
専門業者に依頼する場合は、希望のデザインや予算を伝えて、見積もりを取ることが大切です。
DIYで作る場合は、木材の種類や加工方法について事前に調べておく必要があります。
まとめ
木製看板は、歴史と伝統のある看板です。温かみのある質感や伝統的な雰囲気を演出したい場合は、木製看板を検討してみてはいかがでしょうか。